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C1 · Stretch yourself 3 min read

何段あるか、誰も知らない

Polly watches a fox measuring the steps, and discovers that even the official records disagree about how many there are.

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Japanese voice

やがて、さらに下のほうで、階段にほかの誰かがいる。黄色いヘルメットをかぶったキツネが、折り尺と手帳を手に、下から一段ずつ上がってくる。段ごとに立ち止まって高さを測り、数字を書きつける。ポリーは脇の岩棚に身を寄せて、キツネを通してやる。ずいぶん時間がかかる。段は本当にたくさんあるのだ。

そうして測るのは、几帳面すぎるからではない。段は手で刻まれたもので、同じものはふたつとない。だからこそ記録する値打ちがある。分厚い本ほどの高さの段もあれば、かろうじて縁と呼べる程度の段もある。溝全体の幅も下るにつれて変わり、戸口のよう...

そうして測るのは、几帳面すぎるからではない。段は手で刻まれたもので、同じものはふたつとない。だからこそ記録する値打ちがある。分厚い本ほどの高さの段もあれば、かろうじて縁と呼べる程度の段もある。溝全体の幅も下るにつれて変わり、戸口のように狭いところもあれば、テーブルより広いところもある。これを刻んだ者が、図面ではなく岩に従ったからだ。

ポリーがいちばん気に入っているのは、ここからだ。階段が何段あるのか、はっきり知っている者は誰もいない。国の文化遺産の登録簿には百八十七段とある。町の観光案内所は百八十九段だという。どちらも公式で、どちらも公表されている。そしてふたつの...

ポリーがいちばん気に入っているのは、ここからだ。階段が何段あるのか、はっきり知っている者は誰もいない。国の文化遺産の登録簿には百八十七段とある。町の観光案内所は百八十九段だという。どちらも公式で、どちらも公表されている。そしてふたつの数字は、もう何年も食い違ったまま並んでいる。

キツネがてっぺんにたどり着き、背中を伸ばして書きものを始めるのを、ポリーは見守る。あの手帳のどこかで、その数字がひとまずまた決め直されているのだろう。ポリーはすり減った石の長い溝を見下ろし、大きいほうの数字を信じることにする。登ってい...

キツネがてっぺんにたどり着き、背中を伸ばして書きものを始めるのを、ポリーは見守る。あの手帳のどこかで、その数字がひとまずまた決め直されているのだろう。ポリーはすり減った石の長い溝を見下ろし、大きいほうの数字を信じることにする。登っているときは、そっちのほうが多く感じられるからだ。

That's the story.

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