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冠詞 a と the の使い分け:日本人が迷うポイントを場面別に解説

🇺🇸 English · 🇯🇵 Japanese話者向け ·

冠詞の a と the は、「相手がどれのことか分かるかどうか」で選びます。初めて話題に出すものや、どれでもよい一つには a 、相手もどれか特定できるものには the を付けます。ただし、数えられる名詞の単数形には必ず何かを付けます。 I have question ではなく I have a question です。

日本語の「が」と「は」が手がかりになる

日本語には冠詞がありませんが、似た働きをする仕組みはあります。昔話の始まりを思い出してください。「昔々、あるところにおじいさんがいました。おじいさんは山へしばかりに行きました。」最初は「おじいさんが」、二回目は「おじいさんは」になっています。

英語にすると、 Once upon a time, there was an old man. The old man went to the mountains. となります。初めて登場するときは a 、二回目からは the 。日本語で「が」から「は」に変わるのと、ちょうど同じタイミングで冠詞が変わっています。もちろん「が」と「は」が冠詞と完全に対応するわけではありませんが、「聞き手がもう知っているかどうか」で言い方を変えるという感覚は、日本語話者もすでに持っているのです。

冠詞を選ぶ三つのステップ

名詞を言うたびに、次の三つを順番に確かめると、冠詞の迷いは大きく減ります。

ステップ確かめること例
一数えられる名詞か、数えられない名詞かbook は数えられる、 water は数えられない
二単数か、複数かa book 、 two books
三相手もどれのことか分かるかa book (ある本)、 the book (その本)

この結果、使える形は次のようになります。数えられる名詞の単数形は、 a か the か my などが必ず必要です。複数形と数えられない名詞は、何も付けずに使うこともできます。日本人の英語でいちばん目立つのは、一つ目の規則を落として I bought new car のように言ってしまう間違いです。正しくは I bought a new car です。

日本人が数えてしまう「数えられない名詞」

日本語では「一つのアドバイス」「三つの情報」と自然に言えるため、英語でも数えられると思い込みやすい名詞があります。これらには a を付けず、複数形にもしません。

日本語間違えやすい形正しい形
アドバイスan advice, advicessome advice, a piece of advice
情報an information, informationssome information
家具a furniture, furnituressome furniture, a piece of furniture
荷物a baggage, luggagesmy luggage, two bags
宿題a homework, homeworksa lot of homework
ニュースa newssome news, a piece of news
仕事(作業)a work, many worksa lot of work, a job

仕事に関しては注意が必要です。 work は「作業、労働」の意味では数えられませんが、 job は数えられます。「仕事が見つかった」は I found a job 、「今日は仕事が多い」は I have a lot of work today です。荷物を数えたいときは、 I have two bags のように数えられる別の名詞に言い換えると自然です。

the が付くのは「言わなくても分かる」とき

the は、前に話に出たものだけに付くわけではありません。その場の状況や常識から、相手がどれのことか分かるときにも使います。日本語で「駅」「トイレ」「窓」と、何の説明もなく言えるものがそれにあたります。

  • Could you open the window? 部屋に窓が一つなら、どの窓か言わなくても分かる。
  • Where's the bathroom? この建物のトイレのことだと分かる。
  • I'll meet you at the station. 二人がいつも使う、近くの駅のこと。
  • The sun is very strong today. 太陽は一つしかない。

反対に、 I'll meet you at a station と言うと、どこかの駅で、という意味になり、待ち合わせが成り立ちません。日本語では「駅で会おう」で通じる場面ほど、英語では the が必要になると覚えておくとよいでしょう。

一般論は複数形で、冠詞を付けない

「犬が好きです」のように、ある種類のもの全般について話すときは、数えられる名詞なら複数形を使い、冠詞は付けません。

英語伝わる意味
I like dogs.犬というもの全般が好き(自然な言い方)
I like the dogs.その場にいる、特定の犬たちが好き
I like a dog.ある一匹の犬が好き(一般論としては不自然)
I like dog.冠詞も複数形もないと、食べ物としての犬肉のように聞こえる

最後の例は、数えられる名詞を数えられない名詞のように使うと、物の「材料」や「肉」の意味になる、という英語の仕組みから来ています。 I like chicken が「鶏肉が好き」の意味になるのと同じです。日本語の「犬が好き」をそのまま訳すと起きやすい間違いです。

冠詞を付けない決まった形

反対に、習慣的に冠詞を付けない表現もあります。これは規則で考えるより、まとまりとして覚えるほうが早い部分です。

  • 行為や目的としての場所:go to school 、 go to bed 、 go to work 、 at home
  • 交通手段:by train 、 by car 、 by bus
  • 食事:have lunch 、 after dinner
  • 多くの地名:Tokyo Station 、 Ueno Park 、 Mount Fuji (ただし the Sumida River 、 the Pacific Ocean のように川や海には the を付ける)

go to school に the を付けると、勉強しに行くのではなく、建物としての学校に行く、という意味合いになります。保護者が面談で学校に行くなら go to the school と言うことができます。

自己紹介でよくある冠詞の間違い

仕事の自己紹介は、冠詞の間違いがいちばん目立つ場面です。次の形をそのまま使えるようにしておきましょう。

  1. 「エンジニアです」は I'm engineer ではなく I'm an engineer. 職業名にも a が必要です。母音で始まる音なら an になります。
  2. 「商社で働いています」は I work for a trading company. 相手が知らない会社なので a です。
  3. 「大阪支店の部長です」は I'm the manager of the Osaka office. 部長が一人だけなら the です。
  4. 「子どもが二人います」は I have two children. 数を言うときは冠詞なしで複数形にします。

冠詞は、完璧に使えなくても意味が通じなくなることは多くありません。まずは数えられる名詞の単数形に a を落とさないことから始めると、英語の印象がぐっと自然になります。 PollyStop の音声チューターとの会話や、ホテルやカフェでの短いやりとりで、 a と the を意識しながら声に出して練習してみてください。

よくある質問

a と the のどちらか迷ったら、どうすればいいですか?

相手がどれのことか分かるかを考えてください。分かるなら the 、初めて話題に出すものや、どれでもよい一つなら a です。数えられる名詞の単数形なら、何も付けないという選択肢はほとんどありません。迷ったら少なくとも a を付けるほうが自然です。

a と an はどう使い分けますか?

後ろに来る単語の綴りではなく、その最初の音で決めます。母音の音で始まるなら an 、子音の音なら a です。 an hour は h を発音しないので an 、 a university は「ユ」の音で始まるので a になります。

advice や information に a を付けてはいけないのはなぜですか?

英語ではこれらが数えられない名詞として扱われるからです。日本語では「一つのアドバイス」と言えますが、英語では some advice や a piece of advice のように表します。複数形の advices や informations も使いません。

固有名詞に the が付くのはどんなときですか?

多くの地名や駅名、人名には付けませんが、川、海、運河のような名前には the を付けます。 Tokyo Station や Mount Fuji には付けず、 the Sumida River や the Pacific Ocean には付けます。